RRR-B工法
特長
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補強材が格子状の面状ジオテキスタイルなので、土との摩擦、噛み合わせ(インターロキング)効果が得られやすく、
剛壁面と一体化することにより、補強材の敷設長を短くすることが可能。(通常、壁高さの35%程度)
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ジオテキスタイルを比較的密に(基本敷設間隔は30cm)配置するため、使用できる盛土材料の適用範囲が広い。
(細粒土の盛土材の使用も可能)
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補強盛土施工後、盛土の変形が収束するのを待って、剛性の高い一体の壁面工をあと施工で構築するため、
法面近くまで十分な締固めができ、壁面完成後は盛土の安定性が高く、変形性が小さい。
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曲げ剛性を有する一体の壁面工と面状補強材を一体化して補強土擁壁を構築するため、耐震性が著しく向上する。
(平成7年兵庫県南部地震で実証済み)
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鉄道における迷走電流による補強材の腐食がない。
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鉄道における電柱基礎を壁面と一体化させることができる。
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鉛直、あるいは鉛直に近い壁面(土留め構造物)の構築が可能になり、従来の盛土に比較して用地が大幅に縮小できる。
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大型重機を用いることなく施工が可能であり、従来の盛土よりも狭い用地や狭隘な場所でも施工が可能。
設計法
鉄道構造物を対象としたRRR工法の設計法は、「鉄道構造物等設計標準・同解説 土留め構造物」(平成24年1月版)に準拠しますので、性能照査型設計法で実施されます。当協会発行の「RRR-B工法設計・施工マニュアル」(令和元年6月版)も上記鉄道標準に準拠しています。一方、鉄道以外の構造物を対象とした設計は、「RRR-B工法設計(性能照査型)・施工マニュアル 道路編」(平成28年10月版)に基づき、各事業者の基準に沿って行います。
鉄道標準の性能設計法のフロー
盛土補強土壁の設計フロー
施工法
RRR工法で採用している施工方法は、以下に示す段階施工法です。
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壁面工の根入れ部分を建設する。
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引張り補強材(ジオグリッドなどの面状補強材)を敷設し、砕石等をつめた透水性土のうを壁面位置において補強材を巻込み、盛土を締め固める。
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上記の工程を繰り返して、補強盛土部を完成する。
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盛土部と支持地盤の変形が収まるのを待ってから、比較的薄い(壁厚30cm程度)鉄筋コンクリート壁面工を盛土と一体になるように現場打ちによって建設する。
ジオグリッドで覆われた補強盛土のり面に対し、状態にして裏型枠が無い状態でコンクリートを打設して壁面工を構築することにより、剛な壁面とジオテキスタイルは完全に一体化され、また、コンクリート内部からのブリーディング水は土のうの中の礫粒子間に吸収され、密なコンクリートとなります。 段階施工によるRRR工法の施工利点は以下の通りです。
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補強盛土部と支持地盤の変形が収まるのを待ってから、壁面コンクリートを打設するので、剛で一体の壁面工と補強材との結合点で相対沈下による損傷が生じない。したがって、非常に圧縮性の高い軟弱地盤上にも補強土壁を建設することが可能です。
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壁面あと施工のため、施工中の補強盛土部分の側方変形はある程度許容されるので(各層の土のう仮抑えをセットバックして設置する必要がある)、壁面背後の盛土を重機等で十分に締め固めることができ、盛土建設中に補強材に十分な引張り力が発揮される。
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前面のコンクリート型枠を盛土内部からアンカー鉄筋で支保しているのでため、型枠前面の支保工を省略することも可能であり、剛な一体壁面を狭い空間で、現場打ちで施工できる。
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盛土部と支持地盤の変形が収まるのを待ってから、壁面コンクリートを打設するので、壁面形状を仕様通りに完成させることができる。
溶接金網による仮抑え材の省力化
従来の「土のう」から「溶接金網」に
土のう制作、仮置き、設置のコストが削減
従来の土のうによる設置状況
溶接金網
仮抑えの設置状況